船井 _0164-1024x682大手メーカーが牛耳る国内テレビ市場で、機能で劣らない低価格品を売りにする「新勢力」の出足が好調だ。大手が画質や音響などにこだわる高級路線を歩むのと一線を画し、存在感を高めつつある。

ヤマダ電機は6月2日から、船井電機製の液晶テレビを独占的に売り出している。全11機種に録画機能がつく。高画質の4K製品も8機種をそろえ、リモコンボタン一つで動画配信サービスにもつながる。機能面でも、日本の大手メーカーの商品と大差はない。だが価格(6月末時点)は、32型の普及価格品で税別3万9800円と日系他社の同型よりも1万円近く安い。

 販売は好調のようで、船井の船越秀明社長は「1カ月で2カ月分の予定台数が出た機種もある」と話す。船井は国内の販売台数シェアで2017年に5%を目指しており、「18年には2桁台に持って行く」と自信をみせる。英調査会社ユーロモニターによると、仮に2桁に届けば、国内4位のソニー(13・3%)に近づく規模になる。



 ディスカウント店のドン・キホーテも6月中旬から、日本メーカーに生産を委託した自主企画品を売り出した。50型の4K液晶テレビで、価格は税別5万4800円。1週間で初回生産分の3千台が完売した。東芝子会社の電子回路基板を使い、「価格の割に性能がいい」などと評判になったという。

 ログイン前の続き英調査会社ユーロモニターによると、国内のテレビ市場は、家電エコポイント制度や地上デジタル放送化に伴う買い替え需要があった10年の2643万台をピークに縮小した。14~16年は500万台規模が続く。

 この間、事業採算が悪化した大手は高級路線を追求し、安価な機種を絞った。今夏の商戦でソニー、パナソニック、東芝は高価な有機ELテレビを前面に打ち出す。シャープは4Kよりも高画質な8Kの製品を18年中にも売り出す予定だ。結果的に日本大手の普及価格品が不足し、船井は「安価な機種の需要がある」とみる。

 大手には「限られた市場の中で競合が増えるのは脅威」と映る。安価な製品の売れ行きが伸びて、自社製品に値下げ圧力が及ぶことも心配だという。