アップルのスマートフォンiPhone10周年モデルとなるiPhoneは、組み立てを担う鴻海精密工業、和碩聯合科技(ペガトロン)の歩留まり率がまだ量産可能な水準に達していないもようだ。液晶パネル搭載モデルiPhone7sの全面量産は8月へと例年より1~2カ月遅れ、有機EL(OLED)パネル搭載モデルのiPhone8は11~12月にやっと少量生産に入れる見通しだ。iPhone8発売による史上最大規模のスマホ買い替え商機は、来年に持ち越される可能性がある。17日付経済日報などが報じた。
 業界関係者は、今年は4.7インチ、5.5インチ液晶パネル搭載のiPhone7s、iPhone7sプラスがアップルの主力製品となり、有機ELパネル搭載iPhone8は「華を添えるだけ」と予測し、大量供給はできないとの見方を示した。



 米誌ファスト・カンパニーによると、有機ELパネル搭載iPhone8の生産が困難な理由は、ワイヤレス充電、3Dセンサー機能搭載に関するソフトウエアの問題だ。
 メリルリンチがアップルのアジアのサプライヤーを調査したところ、有機ELパネル搭載iPhone8は設計が大幅に変更されており、コストは現行機種のiPhone7より40%増えることが分かった。iPhone8はエントリーモデルでも4万台湾元(約15万円)近く、歴代のアップルスマホのうち最も高価な機種となりそうだ。
 メリルリンチは、アップルの今年第3四半期のiPhone出荷予想を1,100万台、第4四半期は600万台に下方修正し、来年第1四半期は1,000万台に引き上げた。
 アナリストは、高価格かつ発売遅延があっても販売台数自体に影響は出ないとみている。ただ、下半期にはサムスン電子や華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)などのフラッグシップモデルが勢ぞろいするため、ユーザーが来年までiPhone購入を待ち切れない可能性もある。

有機ELパネル搭載iPhone8の量産が欧米の年末商戦に間に合わなければ、サプライチェーンの今年の売上高に影響が出る恐れがある。

 有機ELパネル搭載iPhone8は、出荷全体の95%を鴻海が組み立て、ペガトロンはごく一部を担当するもようだ。4.7インチ液晶パネル搭載iPhone7sはペガトロンが65%を受注し、5.5インチ液晶パネル搭載iPhone7sプラスは緯創資通(ウィストロン)が主に組み立て、鴻海はそれぞれ一部分の組み立てを担うとみられている。

 市場観測に対し、鴻海は16日、市場のうわさにはノーコメントと説明した。ペガトロンも、特定の顧客に関するうわさにはコメントしないとした。
 韓国の英字紙コリア・ヘラルドなどによると、有機ELパネル搭載iPhone8は、リジッドフレキシブルプリント基板(RFPCB)を採用する。業界関係者によると、アップルは今年予定するプリント基板(PCB)1億枚の調達を満たすため、自社でPCB生産設備を数千万米ドルで購入し、PCBメーカーに貸し出すもようだ。
 RFPCBは、従来のリジット基板やフレキシブル基板(FPC)より生産の難易度が高く、台湾メーカー1社がアップルの品質要求に応え切れず脱落した。アップルは、残る韓国インターフレックス、永豊電子の2社に対し増産を求めている他、韓国で3社目の調達先を模索しているとされる。