SCREENファインテックソリューションズ(FT、京都市上京区)は、有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレー向け製造装置の商品構成を拡充する。ポリイミド基板作製用塗工機に加え、後工程の装置の品ぞろえを強化。有機EL膜を形成したフレキシブル基板の剥離や、有機EL膜などを曲面に貼り合わせる装置などの提案を本格化する。

SCREENFTは、後工程装置事業を担うSCREENラミナテック(奈良県御所市)を設立し3日に運営を始めた。

ラミナテックは設立にあたり、フレキシブルデバイス製造装置など後工程に強いメーカーのFUK(同)の全事業を譲り受けた。任意の形の車載用ディスプレーを作製できる技術を獲得しており、今後は自動車関連のティアワンに本格的に提案する。
 


FUKは従来、製造装置の生産を外注していたが、SCREENFTの傘下に入ったことで、営業や生産、保守といった経営資源を活用できるようになった。SCREENFTはスマートフォン向けや、今後の需要増が期待できる車載向け有機ELディスプレー製造装置の需要獲得を目指す。

SCREENFTが持つポリイミド塗工機は、有機ELディスプレーのフレキシブル基板製造に用いる。このほか、ディスプレーの駆動回路を作製するアレイコーターといった製品も有する。一方、ラミナテックは、ガラス基板上で作製した有機EL膜の基板剥離や、大気中における有機ELディスプレーの曲面貼り付けなどの装置を持つ。これら製品の技術を組み合わせ、シナジーを引き出す。

SCREENFTはSCREENホールディングス(HD)の事業会社。