液晶パネル大手、ジャパンディスプレイ(JDI)の株価がさえない。14日に年初来安値(174円)を更新し、年初からほぼ右肩下がりの状況が続く。9日に人員削減などで1700億円の特別損失を計上するリストラ策を発表したが、有機ELパネルで韓国サムスン電子に出遅れるなか、外部資本の導入などをテコに業績を回復できるか、不透明感が強まっているためだ。
 思い切ったリストラを発表しても市場が気迷いするのは、JDIと筆頭株主の官民ファンド、産業革新機構との距離感に微妙な変化が出始めたのが一因とみられる。


 JDIは今回、革新機構の債務保証を受けることで、取引銀行から運転資金1070億円の融資枠を取り付けた。実はこの保証契約にはある条項が盛り込まれた。JDI株を20%以上持つ企業が現れるか、もしくは革新機構の出資比率が20%以下(前期末で36%弱)に低下した場合、革新機構は保証契約を解除できる。加えて同様の出資比率の変更が起きた場合、革新機構は昨年末に決めた750億円の金融支援も引き揚げられる。革新機構がJDIから一歩距離を置くことを意味し、将来的な出口戦略を模索し始めた様子が見え隠れする。
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