台湾・鴻海精密工業主導の再建で、業績が急回復したシャープ。だが、早くも、鴻海・シャープの液晶連合に難題が持ち上がっている。 「優秀な技術者を確保できていない。とてもパネル工場の“米中同時立ち上げ”に間に合わない」(シャープ関係者)と、開発現場から悲鳴が上がっているのだ。
 この“米中同時立ち上げ”の実務を担うのが、鴻海とシャープとの共同運営会社、堺ディスプレイプロダクト(SDP)だ。共同運営とはいっても、実態はシャープの技術者の寄せ集め。要するに、鴻海ではなく、シャープの技術者が最新鋭工場を二つ立ち上げなければならないのだが、そのための開発リソース(人材、設備)の不足や技術開発の遅れが懸念されているのだ。


その元凶は、5年前にさかのぼる。もともと、SDPは液晶パネルの「生産」に特化したシャープ子会社であり、「技術開発」についてはシャープ本体が担当するという役割分担になっていた。ところが、シャープが鴻海に買収される前の12年、本体よりも先にSDPが買収されてしまったことから事態がややこしくなった。「当時、鴻海への技術流出を恐れたシャープ本体が、SDPへの開発協力を拒み、技術を遮断してしまった」(シャープOB)のだ。
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