new lcd matl c83d4bb17豊橋技術科学大学工学研究科の荒川優樹助教らは、光が通過したときに複数の光線に分けることができる「複屈折性」の高い液晶用材料を開発した。分極率の大きい硫黄を含むアルキルチオ基を液晶分子に導入することにより、光特性や電気特性の異方性を向上させた。また、硫黄の高度利用にもつながると期待される。

研究グループは、棒状にした液晶分子の末端部分に、アルキルチオ基を導入したところ、酸素の誘導体と比較して相転移温度が低く、屈折率の上昇度が大きくなることが分かった。



相転移温度が低い点を利用し、室温で液晶相を示す共役系分子を開発した。これらの化合物群の中から、流動性の高い液晶相と、低い液晶相に作り分けられる分子設計技術を確立。室温で液晶相を示す複屈折性の高い液晶材料を開発した。

この技術を応用し、高い複屈折性を保ちつつ、液晶分子の向きがそろった配向フィルムの製造技術を確立した。

具体的にはまずアルキルチオ基を導入した光重合性のモノマーを合成。その後、屈折率の上昇度が大きいことを利用し、複屈折性が高い状態のまま、光で結合を形成する光架橋反応させた。

従来、複屈折性向上のために共役系分子を棒状分子の長軸方向へ拡張することもあるが、分子構造の異方性が増えるため、室温での結晶化や吸収波長の可視域への到達が課題になっている。新たなフィルム製造技術は、これらの課題を克服できる可能性がある。

また、硫黄は資源が乏しい日本では数少ない余剰資源。硫黄の活用が進めば、資源の有効利用につながる。