中国・広州市に5兆ウォン(約4960億円)をかけ、テレビ用有機発光ダイオード(OLED:有機EL)パネル工場を建設する予定だったLGディスプレーは、中国進出計画をスローダウンさせている。
在韓米軍への終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備以降、中国に進出した韓国企業の被害が相次ぐ中、韓国政府内部では韓国の大企業が中国に最先端の工場を建設することが適切かどうか懸念する声が上がっている。
急変する市場に対応するため、中国進出を急ぐ業界と技術・雇用の流出を懸念する政府の間に緊張が走っている。



 産業通商資源部(省に相当)の白雲揆(ペク・ウンギュ)長官は18日、半導体・ディスプレー業界の最高経営責任者(CEO)との懇談会で、「韓国企業が中国で困難に直面しているが、半導体・ディスプレー業界だからといって安全だという保障はない。ライバル国への技術・人材の流出にも神経を使ってほしい」と発言した。白長官は海外工場の建設で韓国国内の雇用が減少することにも懸念を示したという。

 LGディスプレーは7月末、中国工場建設計画を提出したが、韓国政府はいまだに承認していない。OLEDは国家重要技術に該当するため、海外への工場建設には産業通商資源部長官を委員長とする産業技術保護委員会の承認を得なければならない。しかし、韓国政府はこれまでに専門家による小委員会を設置しただけで、会合は一度も開かれていない。LGディスプレー関係者は「申請から2カ月がたつが、全く音沙汰がない。最大のテレビ市場であり、生産国である中国市場を開拓するには、タイムリーに中国工場を設置しなければならないが、タイミングを逃すのではないかと心配している」と話した。中国現地のディスプレー企業の猛追撃を振り切るためには、一日も早く市場を先取りすべきだとの考えだ。