能美工場_joled02ジャパンディスプレイ(JDI)の関連会社であるJOLED(東京都千代田区、東入来信博社長)は第三者割当増資を実施し、有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)の量産に向け資金調達をする方針を固めた。
JDI能美工場(石川県能美市)で計画する印刷式有機ELディスプレーの量産向けで1000億円前後とみられる。量産開始は2019年半ば以降を想定している。

近く、JOLEDが増資に向けた具体的な作業に入る見通し。実用レベルの印刷式有機ELディスプレーを手がけるのは同社のみで、その技術には高い関心が集まっている。顧客やパネルメーカーなど国内外の複数の企業が出資候補者として名乗り出そうだ。



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JOLEDはJDI石川工場(同川北町)で11月から基板サイズ4・5世代のパネルを生産し、出荷を始める予定。ソニーが医療用モニターへの採用を決めている。

能美工場では基板サイズ5・5世代のパネル量産を検討している。同工場では現在JDIがスマートフォン向け液晶などを手がけるが、12月に生産を停止する。新たにJOLEDが、既存の駆動回路の生産ラインをそのまま転用し、印刷式有機ELパネルを生産する予定だ。

JOLEDは量産開始にあたり、工場建屋や生産ラインなどの資産を有効活用して導入コストを抑える。資金調達が計画通りに進めば、18年秋頃にも設備の搬入を始める見込みだ。

現在、有機ELパネルの製造には、気化した有機EL材料を型を使って塗り分ける蒸着方式と、必要な部分に有機EL材料を印刷する方式がある。印刷方式は型や真空環境が不要で、蒸着方式よりも製造コストを削減できる。

JOLEDは自社ラインでの量産に加え、パネルメーカーなどと技術ライセンスを結んで量産体制を整備する方針だ。