太陽電池大手の新日光能源(ネオソーラーパワー、NSP)、昱晶能源科技(ジンテック・エナジー)、昇陽光電科技(ソーラーテック・エナジー)の3社は16日、合併意向書(MOU)を締結した。
来年第3四半期をめどに合併し、生産能力5ギガワット(GW)で世界市場シェア10%弱を占める、台湾最大手に浮上する。中国メーカーの低価格戦略で苦戦が続く中、3社合併で太陽電池の出荷先となる太陽光発電所を複数確保して垂直統合を強化して、中国メーカーの下請けを脱却する他、台湾政府の出資による資金力強化でハイエンド製品の技術力を高め、日本や欧米など利益率の高い市場の開拓を進めることが可能となる。



16日の発表によると、3社は10月20日に臨時株主総会を開催し、管轄当局に申請後、来年第3四半期に合併を完了する予定だ。ジンテック1株にネオソーラー1.39株、ソーラーテック1株に対しネオソーラー1.17株を割り当てる株式交換を行い、存続会社のネオソーラーは「聯合再生能源」に社名変更する。当初の資本金は217億台湾元(約810億円)。その後、第三者割当増資を実施し、行政院国家発展基金(国発基金)や経済部傘下の耀華玻璃から45億元の出資を受け入れる。また3社合併に先駆け、ネオソーラーは傘下の永旺能源(ゼネラル・エナジー・ソリューションズ、GES)を合併し、ジンテックは傘下の昱成光能(ユーテック・ソーラー)を合併する。ユーテック・ソーラーは、三菱商事、中鼎工程(CTCI)との共同出資で、シリコンウエハーの月産能力500メガワット(MW)。

 聯合再生能源の董事長となる洪伝献ネオソーラー董事長は、3社以外の参加も歓迎すると業界に呼び掛けた。聯合再生能源の執行長には潘文輝ジンテック総経理が、新投資事業部の責任者には張錦龍ソーラーテック総経理が就任し、太陽電池モジュールのアルミフレーム、バックシート、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)シート、ガラスなどの太陽電池の重要部品を台湾メーカーと共同開発する。

 洪董事長は、聯合再生能源の太陽電池の生産能力は5GWに達し、うち3.2GWが変換効率が高く利益率も高いPERC(裏面不動態型セル)太陽電池だと指摘した。太陽電池モジュールの生産能力は現在800メガワット(MW)で、2019年に台湾で1GWの生産ラインを設置し、3年以内に3GWまで増強すると語った。太陽光発電システムは今後5年で毎年、出力1GWの設備増設を目指す。聯合再生能源は19年の黒字転換が目標だ。