英調査会社のIHSマークイットは24日、世界の有機ELパネル生産能力が2022年に17年比4.2倍の5010万平方メートルになるとの予測をまとめた。有機ELは米アップルが11月発売のiPhoneX(テン)に採用するなど普及が進んでいる。成長市場を狙い、韓国や中国のメーカーの増産投資が相次ぐ。

 用途別にみると、主にスマートフォン(スマホ)に使う「RGB方式」のパネルが同3.6倍の3190万平方メートルに増える。アップルに供給する韓国サムスンディスプレーに加え、京東方科技集団(BOE)や華星光電(CSOT)といった中国メーカーが能力を増やす。

 テレビに使う「白色方式」のパネルは同6.1倍の1820万平方メートルとなりそうだ。市場シェアの大半を占める、韓国LGディスプレーを中心に能力増強が続く。

 スマホ向け有機ELのうち、平面型のパネルは液晶との競争で価格が下がっている。折り曲げられるパネルは差別化が可能で「極端な値崩れは想定していない」(同社の早瀬宏シニアディレクター)という。