中国の液晶パネル最大手、京東方科技集団(BOE)の王東升董事長は7日、第19回日経フォーラム「世界経営者会議」で講演し、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」で激変するIT(情報技術)市場で生き残るには「技術革新が唯一の道」と指摘した。その中で王氏は「ディスプレー技術を基盤とし、センサーやビッグデータ技術を徐々に積み上げていく」と戦略を語った。

 BOEはスマートフォン(スマホ)やパソコン向けのディスプレー出荷数量で世界一となり、さらに中国国内で大型工場を相次ぎ建設中だ。王氏は「人類は第4次産業革命を迎えている。IoT時代は企業側にとって大きなチャンス」と語りディスプレーの用途が広がるとみる。



 BOEは半導体やセンサーなど幅広い電子デバイスの研究開発にも多額の投資を振り向けてきた。王氏は「BOEの25年の歴史を一言で表すと『技術革新への執着』だ。技術力があれば必ず勝てるわけではないが、なければ負けてしまう」と指摘した。

 中国企業の積極投資による液晶パネルの供給過剰を指摘する声も多い。王氏は「足元でBOEは毎年数億枚のディスプレーを出荷しているが収益力は伴っていない。このままでは生産過剰のリスクが顕在化する」と警戒する。その上で「ディスプレー技術を基盤とし、センサーやビッグデータの半導体技術を徐々に積み上げる。単一のデバイスメーカーからソフトとハードの融合、さらにサービス提供会社として方向転換している」と語った。

 ディスプレーの世界大手となったBOEの目指す方向性については「情報通信と人類の健康のために端末とサービスを提供するIoT企業」と位置づけた。他社との連携にも積極的で「1社の力は限られている。国境を越えたパートナーと連携することで成長するチャンスはもっと大きくなる」と強調した。