テレビ用大型液晶パネルの値下がりが止まらない。11月の大口価格は前月比1~6%安く、年初に比べ1~2割下がった。2016年後半から続いた高値の影響でパネルを組み込むテレビの価格が下がりにくくなり、米国や中国でテレビの販売が低迷している。パネルの値下がりは来年以降、テレビの店頭価格に反映されそうだ。

  指標品であるオープンセル(バックライトなどがつかない半製品)の32型は、大口価格が1枚67ドル前後と、前月に比べ1%安い。年初比では11%下がっており、1年4カ月ぶりの安値水準だ。「数カ月先を見越した商談は、60ドルを切る話が出ている」(電子部品商社)



 より大きいパネルも値下がりしている。43型は50型以上に需要が移った影響で前月比6%安い115ドル前後。55型は中国パネルメーカーの生産増もあり、180ドル前後と、同3%下がった。他のサイズを含め、年初比からの下落率は1~2割に達する。

 パネルは16年後半から17年前半にかけて高値が続いた。利益を確保したいテレビメーカーは製品の出荷価格を維持しようとしている。「価格に敏感な中国や北米市場で、テレビ販売台数が前年割れしている」(米調査会社ディスプレイサプライチェーンコンサルタンツの田村喜男アジア代表)。二大市場の低迷がパネル需要の不振を招いた。

 55型以上のテレビは有機ELパネルを使った製品が増えている。英調査会社のIHSマークイットによると、17年のテレビ向け有機ELパネル出荷枚数は、160万枚と前年を78%上回る見通し。55型以上の液晶は有機ELに需要を奪われている。

 テレビメーカーがパネルの購買を決めてから、買ったパネルを使ったテレビが店頭に並ぶまでには半年程度かかる。パネルの価格が大きく下がったのは7月以降のため、テレビ価格への反映が本格化するのは18年1月以降となりそうだ。

 中国市場では台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入ったシャープがテレビのシェアを伸ばしている。パネル価格の下落を背景に「巻き返しに動く中国テレビメーカーのパネル需要が戻ってきた」(海外パネルメーカーの営業担当者)との声も出始めている。需要の回復次第でパネル価格の下げ幅は縮小に向かいそうだ。