アップルのiPhoneにカメラ用レンズを供給している大立光電(ラーガン・プレシジョン)は、11月連結売上高が前月比0.05%の微増にとどまったことを受けて、一部顧客の調達が弱まっており、今年は例年ピークとなる12月が減収となるとの見通しを示した。10周年記念モデルのiPhoneX(テン)は、11月上旬に発売された直後は全世界で売れ行き好調が報じられたものの、実際の販売を懸念する見方もある。6日付工商時報などが報じた。

ラーガンの11月連結売上高は56億1,600万台湾元(約210億円)で前月比0.05%増、前年同月比8%増だった。1~11月は482億6,000万元で前年同期比12.5%増だった。



 ラーガンの売上高は2013年以降、年末に向けて毎月増え続け、翌年1~2月が底だったが、今年は12月に減少に転じる見通しだ。証券会社は、iPhone8シリーズとiPhoneXの販売伸び悩みが原因で、15年9月にiPhone6sシリーズが発売された当時と状況が似ていると指摘した。iPhone6sシリーズは好調だった前モデルのiPhone6シリーズほど売れず、ラーガンは例年12月の売上高が年間で最も高いが、15年は10月が57億6,900万元で過去最高だった。

 JPモルガン・チェースは、ラーガンの来年第1四半期売上高は前期比横ばいと予想した。

 一方、金属筐体最大手の可成科技(キャッチャー・テクノロジー)も11月連結売上高が111億200万元で前月比10.42%減、前年同月比35.32%増と、3カ月続いていた過去最高更新がストップした。ただ、1~11月は前年同期比17.5%増の839億9,800万元で、昨年通年の791億元を上回った。

 キャッチャーは、第4四半期売上高は前期や前年同期と同様の力強い成長が見込めると強調した。証券会社は、12月売上高も前月より減少するものの、第4四半期売上高は前期比20%増と予測した。

 アップルは今年9月にiPhone8、iPhone8プラス、11月に3D(3次元)顔認証システム「フェイスID」などを初めて導入したiPhoneXを発売し、特にiPhoneXはiPhone10年の集大成と世界中に注目されていた。iPhoneXは部品や組み立ての難易度が高いことから供給台数が限られ、発売日当日はすぐさま売り切れとなったものの、現在の台湾公式サイトの配送予定日はわずか5営業日と、配送待ちの日数が短縮している。

 ラーガンとキャッチャーの11月売上高や12月減収見通しから、iPhoneXの好調は見せ掛けで、実際の販売は懸念が残るとの見方が出ている。同日付工商時報は、台湾の域内総生産(GDP)成長率がアップル頼りとなっている現状に警鐘を鳴らした。

 一方、アップル製品の動向把握で定評のある凱基証券(KGI)の郭明錤アナリストは、iPhoneXの配送予定日が早まったのは、需要が弱まったわけではなく、生産量が増えたためと指摘した。

 市場調査会社IHSマークイットのレポートでは、iPhoneX発売後3週間の主要8カ国の販売状況を基に、今年第4四半期のiPhoneX出荷台数は3,100万台、iPhone全体では8,880万台で過去最高を更新すると予想されている。