スマートフォン(スマホ)に使う有機ELパネルのうち、ガラス基板を使う「リジッド」品の価格が下がっている。米調査会社のディスプレイサプライチェーンコンサルタンツによると、5.5型(フルHD、カバーガラスまで含む)の平均出荷価格は、10~12月期に前の四半期と比べ1ドル(3%)安い1枚31ドルとなる見通しだ。

リジッド品は中国スマホメーカーの採用が多い。供給過剰になっている液晶パネルとの競合を受け価格が下がっている。10~12月期にスマホ向け有機ELパネル出荷台数の5割弱を占める見通しだ。



1~3月期からの下げ幅は4ドル(11%)に達する。もっとも、「液晶と比べ値下がり率は小さい」(同社の田村喜男アジア代表)。

一方、樹脂基板を使う「フレキシブル」品は5.8型(QHD、同)の平均出荷価格が、1~3月期並みの90ドルを維持する見通しだ。平面形状のリジッド品に対し、フレキシブル品は曲面など形の自由度が高く、米アップルの「iPhoneX(テン)」などに採用が広がる。液晶との差別化を図りやすく、リジッド品に比べ価格が下がりにくい。