世界で唯一家庭用大型有機ELパネルを量産しているLGディスプレイは、世界初の8K有機ELパネルと、ローラブル(巻き取り型)65型有機ELパネルをCESに出展。麻倉怜士さんとStereo Sound ONLINE編集部が日本のメディアとして(おそらく)独占取材を行なった。

巻き取り型有機ELは、プラスティックOLEDではなく、ガラスOLEDだというからびっくり。ひじょうに薄いガラス素材が用いられている。なお、昇降は途中で止めることもでき、わずかに上げて写真のような各種インフォメーション表示用や、アスペクト比21:9(シネスコ)の状態にもできるという。 今回の出展のように、収納部を下にするか、あるいは昇降式スクリーンのように収納部を上にするかは、まだ検討段階だという。
ケースの大きさも今は相当大きく、技術的な洗練が必要とされるが、なんといっても「使わないときに画面を隠せる」というメリットは強烈だ。

 
 

LGディスプレイがプライベートブースで展示した88型の8K有機ELパネルは、これまでのLGディスプレイ製パネルと同様、WRGB有機EL+カラーフィルター方式でボトムエミッションとなる。これは何を意味するのかというと、韓国・坡州(パジュ)市にある現在のラインでのパネル生産を視野に入れて開発しているということだ。

もちろん、(画面サイズが同じなら)1ピクセルの面積は4分の1に、トランジスターは4倍必要となるなど、量産への課題は飛躍的に高まる。サイズは、65型までは生産技術的に大きな課題はないとのこと。ここ数年LGディスプレイが参考展示してきたアイテムが、その後いつ市販されてきたかを考えると、早くて1~2年後には世に送り出されてきたものもある。そう考えると案外発売は近いのかもしれない......。



日本では少しずつ立ち上がりつつある4K有機ELテレビのビジネスがあり、技術面と価格面、あるいは製品ライフサイクル的な面で考えて、日本メーカーは早期の製品投入は選択しづらいはずだ。だが、大画面でのスペシャルな製品としての投入はストーリーとしてはありうる。

今年春は、昨年リリースされた4K有機ELテレビのマイナーチェンジ仕様で勝負、今年冬は4K/8K実用放送開始をにらみ、チューナー入り8Kテレビを液晶の旗艦機として投入、数年後、たとえば2020年ごろに本命の8K有機ELテレビが市販......そんな流れが考えられよう。

8K有機ELディスプレイの画質について。残念ながら動画ではなく静止画での感想になるが、自発光方式の有機ELパネルならではの局所コントラストに優れた特性が8K解像度でさらに際立つ。強調感がないナチュラルな映像なのにも関わらず、力強いパワーがあった。

もちろん88型という大きな画面サイズによる迫力もあるだろうが、リアリティも高く、直視型テレビのひとつの完成形を見た印象だった。8K&HDRの動画ならどんな感激が沸き立つのだろうか。いつまでも画面の前でさまざまな映像を観続けていたい。そんな素朴な感動を覚えた。