米司法省と証券取引委員会(SEC)は、米アップルが明らかにした旧型「iPhone(アイフォーン)」の速度低下につながるソフトウエア更新を巡り、同社が証券取引法に違反したか否かを調査していると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

 調査が非公開だとして匿名を条件に語った関係者らによれば、政府はアップルに情報提供を求めた。ただ関係者らは、調査は初期段階であり、何かしらの法執行につながると結論付けるのは時期尚早だとも述べた。調査担当者が注目しているのはアップルがこの件で示した公式見解だという。



 速度低下はユーザーをいら立たせている一方、調査担当者はアップルが旧機種の性能について投資家に誤解を与えた可能性に関心を持っている。

 SECと司法省の報道官はコメントを控えた。アップルの広報担当にコメントを求めて連絡を取ったが、これまでのところ返答は得られていない。アップルの株価は30日、前日比0.6%安の166.97ドルで終了。2月1日の決算発表を前にアイフォーン「X」の販売が予想を下回るとの観測から、同社株には下押し圧力がかかっている。

 アップルは数週間前、アイフォーンの旧機種が突然機能停止に陥る事態を回避する手段として、2017年の早い時期にリリースしたソフトウエアアップデートでパフォーマンス速度を低下させたことを認めた。同社はこのリリース時、旧機種の動作が遅くなることについては説明していなかった。昨年12月に同社は、この情報をはっきりと伝えていなかったことについて謝罪し、問題に対応するため新たな更新版をリリースすると表明した。