普及が見込まれる有機ELテレビの値下がりが続いている。家電量販店では、主力の55型で国内メーカーの製品が発売当初と比べ3割安い。6月のサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会に向けて買い替えが一段と進みそうだ。

有機ELテレビは2017年6月にソニーやパナソニックが参入し、大手4社が出そろった。「6月の発売時に約55万円だった55型の製品は、現在では40万円前後まで下がっている」(東京都新宿区のヨドバシカメラ新宿西口本店)。
ヨドバシカメラ全体では有機ELテレビの販売台数が17年6月から1月にかけ2.4倍に増えた。
 

 ビックカメラ有楽町店(東京・千代田)の担当者は「液晶テレビと比べバックライトが不要なため、明暗をはっきり表現できるのが有機ELテレビの魅力」と話す。「画面の美しさで有機ELテレビを選ぶ人が多い」という。

 調査会社BCN(東京・千代田)によると、17年12月の家電量販店やネットショップでの有機ELテレビの平均単価は税別34万4800円。大手が出そろった17年6月と比べ2割下がった。同社の山口渉アナリストは「現在の有機ELテレビの販売構成比は薄型テレビ全体の2%前後だが、値下がりや製品ラインアップの拡充で販売比率が伸びる可能性は高い」と指摘する。

 18年は平昌冬季五輪やサッカーのW杯があり、テレビの買い替え特需が期待されている。量販店の担当者は「冬季五輪の買い替えはそう多くないが、W杯に向け販売は伸びるのでは」と話す。