「旭硝子で働いた9年間、最低賃金水準の給料で機械のように仕事をしました。耐えられずに労組を作ったが、その一カ月後に職場を失いました」  冷たい風が吹く7日、東京都千代田区の衆議院議員会館前の路上で、日系企業「韓国旭硝子」の非正規職労組労組員ナム・ギウン氏(36)はこう叫んだ。

この日、衆議院議員会館前では労働者不法派遣判定を受けた旭硝子を糾弾する韓国と日本の市民による集会が開かれた。日本の市民も「労働者の使い捨てをやめろ」として声を高めた。

携帯電話の液晶を作る韓国旭硝子は、2015年5月亀米工場の社内下請業者(株)GTSの労働者が労働組合(金属労組旭非正規職支会)を設立すると、1カ月後にGTSに対し請負契約の解除を通知した。GTS所属の旭硝子非正規職労働者178人は、一瞬で職場を失った。



韓国雇用部は昨年9月、韓国旭硝子が下請業者を不法派遣形態で使っていたことを確認したとし、是正命令を下し、起訴意見で送検した。だが、韓国検察は昨年12月、韓国旭硝子の非正規職労働者が会社を相手に告訴した不法派遣・不当労働行為に対して、証拠不十分で嫌疑がないとし不起訴処分を下した。

 韓国旭硝子の非正規職労働者のうち20人余りは職場を失って3年近くが過ぎた今も労組に残り闘争を続けている。韓国旭硝子の非正規職労組は、不法派遣と不当労働行為の責任が旭硝子日本本社にあるとして、日本に来て遠征闘争に出た。2015年以後2回目だ。韓国旭硝子の労働者たちはこの日、東京駅に近い旭硝子日本本社に行き抗議したが、日本の本社から出てきた総務部職員は「韓国で起きたことで、日本の本社とは関係ない」として無視したと韓国旭硝子の非正規職労組は明らかにした。

 2日、東京江東区の江東文化センターで日本の市民が開いた「旭非正規職支会支援・連帯集会」で、労組員のナム・ギウン氏は「韓国旭硝子で週に3日は3交代勤務をし、週末には昼夜2交代勤務をした。昼休みは僅か20分しか与えられなかった。名節や週末に故郷に行くこともできなかった。そこまで働いて月給は200万ウォン(約20万円)程度だった」と話した。

 日本の市民が「労組に加入すればある程度の不利益があると予想しなかったか」と尋ねると、労組員のソン・ドンジュ氏(36)は「韓国では非正規職化のために多くの労働者が苦痛を経験している。労働者の暮らしはどこの職場でも大変な労働環境は同じ。結局、他の職場に移っても同じ(劣悪な環境で)仕事をするほかはないと考えて、労組に加入した」と話した。またナム氏は「労組に加入してから(会社を相手に)言いたいことを言ったことがない。考えてみれば、学校で労働者ついて習ったこともなかったようだ。労組に加入して、労働者の権利について考えることができた」と話した。

 彼らの話を聞いたある日本の市民は「労働者が労組を作るのは人生を賭けるようなものだ」と応援した。2日の連帯集会で日本の市民は、韓国旭硝子非正規職労組の闘争費を支援するために、彼らの闘争を記録した本の日本語版を集会参加者に販売しもした。