中国証券監督管理委員会(証監会)は8日、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の中核子会社による上海市場上場を承認した。鴻海は調達資金でスマートフォン生産などの高度化を進める。2月初めの上場申請から1カ月あまりでの承認は異例の早さで、台湾を代表する企業を取り込もうとする中国政府の思惑がうかがえる。

 鴻海は電子機器の受託製造サービス(EMS)の世界最大手。上場する子会社は広東省深圳に本社を置き、米アップルのiPhoneなどを生産している。売上高は2017年12月期で3545億元(約6兆円)と、中国本土に上場するIT(情報技術)関連の製造業では最大規模になる。



 上海証券取引所との調整を経て、4月中にも株式を上場する。公募を通じて5千億円規模を調達、iPhone生産の自動化などに取り組む。

 中国では上場申請後、承認まで1~2年ほどかかるのが一般的。台湾企業を優遇する姿勢を鮮明にし、台湾の蔡英文政権との分断をもくろむ。中国は海外に上場する有力な中国企業の本土回帰を今後も促すとみられる。