アップルは、昨年の製品の組み立てや材料の調達費用の98%をサプライヤー上位200社が占めたと説明した。  

リストに掲載された台湾メーカーは、常連の▽ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)▽デジタルカメラ用レンズ最大手、大立光電(ラーガン・プレシジョン)▽EMS(電子機器受託製造サービス)最大手、鴻海精密工業▽電子製品受託生産大手、和碩聯合科技(ペガトロン)──などのほか、▽景碩科技(キンサス・インターコネクト・テクノロジー)▽新至陞科技▽建準電機工業(サノンウェルス・エレクトリック・マシーン・インダストリー)▽谷崧精密工業(COXON)▽兆利科技工業(JARLLYTEC)▽白金科技(PTOT)──などが再び上位200社に含まれた。一方、▽双鴻科技(オーラス・テクノロジー)▽富祐鴻科技(フォーチュン・グランド・テクノロジー)▽台湾晶技(TXC)──などは上位200社から外れた。

 中国メーカーで上位200社から外れた5社は、▽徳賽電池科技▽金龍控股集団▽東山精密製造▽パネル・エレクトロニック▽裕同包装科技──。



 元大証券投資顧問の蒲得宇ハイテク産業アナリストは、アップルは特殊な技術を持つメーカーを重視し、複数のサプライヤーを確保し、発注先を分散する戦略を続けていると指摘した。

 生産地別では、鴻海グループが37カ所で過去最多、前年より 3カ所増えた。内訳は、鴻海科技集団(フォックスコン)が27カ所、富智康集団(FIHモバイル)が4カ所、シャープが5カ所、カンタツが1カ所。中国、台湾、日本、ベトナム、ブラジルなどが含まれる。

 リストにはハイテクメーカーだけでなく、従来型産業のメーカーからも▽南亜塑膠工業(ナンヤ・プラスチックス)▽正隆(CLC)▽ラベル印刷の正美企業──が含まれた。

 台塑集団(台湾プラスチックグループ)の南亜プラは、電子材料事業部を擁し、PCBやPCB材料の銅箔、銅箔基板(CCL)、ガラスクロスを生産している。モバイル端末の普及に伴い、電子材料の需要が増えている中、昨年の銅価格上昇で、銅箔やCCLが供給不足となっており、電子材料事業部の営業利益率は12.8%に上った。

 製紙大手のCLCは数年前からサプライヤーで、アップルに紙箱を供給している。昨年の業績説明会では、スマートフォンiPhoneやタブレット端末iPadなどアップル製品の紙箱のうち2割を同社が占めると明かしていた。

 正美企業は中華圏で最大の包装資材のラベル印刷メーカーだ。アップルの他、ユニリーバ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどの有名ブランドも顧客だ。