鴻海精密工業傘下の富士康工業互聯網(フォックスコン・インダストリアル・インターネット、FII)が、中国当局から上海A株上場へのスピード認可を受けたのに続き、台湾企業26社も中国での上場準備を進めていることが分かった。
中国の資本市場は巨大で、台湾株式市場を上回る規模の資金調達が期待できるため、今後も台湾企業の中国上場が相次ぐことが予想される。台湾にとっては株式市場の弱体化と、それに伴う経済全般への悪影響が懸念される。20日付経済日報などが報じた。



 立法院財政委員会で19日、金融監督管理委員会(金管会)による「中国株式市場のマグネット(吸引)効果防止」についての報告が行われた際、施義芳立法委員(民進党)が、上海証券取引所のデータに基づくと台湾企業26社が上場準備をしていると発言した。頼士葆立法委員(国民党)は、審査待ちの台湾企業が20~30社に上り、複数の専門家に問い合わせたところ、著名な上場・店頭公開企業ばかりだったと話した。

 曽銘宗主任委員(国民党)は、自転車最大手の巨大機械工業(ジャイアント)、食品大手の南僑投資控股、産業用紙大手の栄成紙業が中国上場を目指していると指摘。中国投資を行っている台湾の上場・店頭公開企業は1,178社で、これらの企業が全て中国子会社を中国で上場させ、時価総額で親会社を上回った時点で、中国政府が親会社の台湾上場廃止を突き付けてきたらどう対応するのかと追及した。

 金管会の顧立雄主任委員は、店頭公開企業700社のうち100社しか中国に子会社がないと回答。中国子会社の上場計画を把握しているのはFII以外に、▽南僑投資控股▽栄成紙業▽プリント基板(PCB)大手、臻鼎科技(ZDT)──の3社のみだと述べた。さらに、これら3社は中国で子会社を登記して事業展開しており、資金が必要で中国で上場するのは正常なことだとのみ回答し、台湾経済への影響については言及しなかった。

 現在、台湾の上場・店頭公開企業で中国子会社を中国で上場しているのは5社で、▽FII(予定)▽亜翔工程(L&Kエンジニアリング)傘下の亜翔系統集成科技(蘇州)──など。台湾に拠点のない台商(海外で事業展開する台湾系企業)で、中国で上場しているのは28社で、▽半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手、日月光半導体製造(ASE)傘下の環旭電子(ユニバーサル・サイエンティフィック・インダストリアル上海)▽鼎捷軟件──など。