韓国の技術の流出が中国の関連産業発展につながるケースが少なからず発生し、警戒心が高まっている。一国の代表的な産業と技術はその国を支える基盤になったりする。技術力発展のために長期間にわたり莫大な投資をするしかない理由だ。

ところが2012年からの6年間に中国に流出した韓国の国家核心技術は12件にのぼる。国家核心技術とは、国家の安全保障および国民経済発展に重大な影響を与える技術をいう。

 国の産業競争力を決める核心要素は未来の技術に関する先制的な開発、そして開発された技術の持続可能性の確保にある。したがって世界各国は未来の核心産業を確保するための国家研究開発事業に全力投球する。韓国の国内総生産に対する国家研究開発投資比率は世界トップレベルだ。
その結果、メモリー半導体、特殊船などを中心に韓国の世界輸出市場シェア1位品目は71件にのぼる。



  しかしこのうち16件で中国の追撃を受けている。中国は世界輸出市場1位品目の最多保有国で1693件もある。韓国が中国の追撃を受けて1位品目から脱落する脅威が日増しに強まっている。中国はどんなチャンネルを通じて追撃するのか。中国独自の技術力向上もあるが、問題はそのような向上が韓国の技術流出と関係している兆候があるという点だ。

  国家情報院産業機密保護センターによると、韓国の技術の海外流出事故は2003年以降、毎年増加傾向にある。2014年までに摘発された海外産業スパイ件数だけでも438件にのぼる。しかし第2の被害を懸念して公開しなかった場合などを加えると、実際の件数はその3倍になると推定される。

  技術の流出には大きく3つの方法が使われる。1つ目は企業の内部職員と結託したり認可された第三者委託業務を口実に企業に接近し、保存媒体(USBメモリー、ウェブハード、CDなど)を通じて違法に技術を盗み出す行為だ。2つ目は企業の核心人物を厚い待遇(現給与の5倍以上支給など)で誘引し、情報を持っていく方法だ。3つ目は合法を装ったM&A(企業の合併・買収)方法を通じて核心技術を奪うケースだ。

  韓国の技術の中国流出もほとんどこのような方法が動員された。実例として、今月初め慶南(キョンナム)地方警察庁国際犯罪捜査隊が国内ドラム式洗濯機のモーター設計図面を中国に流出させた事件を摘発したが、上の方法が利用された。ドラム式洗濯機の高効率モーターは韓国の中堅企業が2003年に開発した。10年間にわたる研究で数百億ウォンの開発費がかかった。この技術で製造された洗濯機モーターが国内の大企業に納品され、一時は国内市場シェア80-90%を占めた。

  ところがこの中堅企業の中国現地法人研究所長が2015年に高額の年俸を中国企業から約束され、核心技術の資料と設計図面を流出させた。別の研究員は数千件のコンピューターファイルを中国企業に譲り、巨額を金を受け取った。一方、中国上海自動車の双龍自動車企業買収による技術流出は合法を装ったケースだ。

  技術流出は初期は個人単位の断片的な事件が多かったが、最近は企業の成長を目的に組織単位の合法を装ったものが増えている。最も深刻な問題は国家核心技術の流出だが、未来の技術の確保を通じて自国の産業を発展させるという中国の行き過ぎた競争意識が韓国の技術流出の原因になっている。韓国が1位の品目で多くの場合、中国がわずかな差で2位につけているからだ。

 2012年から2017年まで流出した国家核心技術事故の過半(12回、57%)が中国によって発生した。流出した技術は高付加価値船舶設計図面、LNG船建造技術などの造船技術、OLED(有機発光ダイオード)素材技術、OLED洗浄技術などモニター液晶技術、二次電池(充電を通じて半永久的に使う電池)に関する素材と製造技術などだ。これらは韓国が相対的に競争優位にある新しい成長動力産業に利用される技術だ。

  一般的に開発された技術が事業化するまでには製品の難易度と複雑性により約2-5年の時間が追加で必要となる。世界OLED市場の場合、2012年に技術流出事故が発生し、以前までは世界市場に出ていなかった中国が新たに姿を現し始めた。これを受け、2016年にOLED関連の中国個別企業(CSOT BOEなど)の売上高は前年比65.4%増加したが、韓国の世界OLED市場シェアは減少した。中国の世界シェアは2017年の7%から2020年には20%へと急成長が予想される。

  中国の二次電池市場も技術流出事故が発生した2014年以降、中国の電池関連企業(BYDなど)の売上高が前年比220%成長した。こうした現象は、技術流出事故が発生した造船産業や自動車産業でも関連企業の売上増加と共に、中国の世界市場出現、シェア拡大などにつながる流れを見せている。中国の躍進は一次的に中国政府の戦略産業に対する集中投資が重要な役割をしている。しかし中国の次世代技術先導力不足と共に部品や装備など後方産業の競争力が脆弱である点を考慮すると、韓国の産業技術流出事故、そしてこれに関連した中国産業の成長が軌を一にするという点は示唆することが少なくない。

  断片的なセキュリティー装置導入だけでは、体系性かつ戦術的に接近する技術流出行為への対応に限界が生じるしかない。何よりも技術保護予算の大幅な拡大を前提に、技術開発過程で流出を最小化する国家研究開発事業対象のセキュリティー制度確立、複雑な形態の技術流出(奪取)問題を解決できる融合型(法+経営+審理+技術)技術保護人材の養成、技術流出の兆候を先制的に探知できるデータ分析基盤の防諜システム開発など立体的な防止対策を推進する必要がある。

  未来の産業のための技術開発も重要だが、多くの時間と費用が投資された技術をうまく管理してその成果の活用を最大化することも重要だ。特定の産業をリードする国内企業の技術の流出防止と共に、海外に進出した韓国企業の技術流出防止努力が求められる時だ。