京セラは通信機器と液晶ディスプレーの研究開発を、全社横断的な研究開発本部の傘下に再編した。成長が期待される自動車、エネルギー、医療などの分野に通信や液晶の技術を生かす狙い。

同社は現在、電子デバイスや半導体パッケージ、産業・自動車といった部品事業が利益を支える。先進運転支援システム(ADAS)をはじめ、太陽光発電や燃料電池、家庭用蓄電池を連携したシステム開発などにつなげる。2020年度以降に具体化する。



京セラは通信機器と液晶の研究開発を、研究開発本部傘下へ組み入れた。同本部の18年度予算は従来と比べ7割増やし、体制を拡充する。
これまで研究開発本部は、創業事業である部品関連の研究開発が中心だった。後発事業である通信機器や液晶ディスプレーといった領域の研究開発は各部署内の対応にとどまり、全社横断的な連携が乏しかった。

組織の再編により、全地球測位システム(GPS)アンテナモジュールや耐久性の高い液晶ディスプレーの技術をADASなどの研究開発に生かす。またエネルギー分野に通信技術を活用して、太陽光発電と固体酸化型燃料電池(SOFC)、家庭用蓄電池を連携したシステムなどの技術開発を進める。