薄型で高精細な有機ELテレビで先行する韓国LG電子は今月20日から順次、日本市場に最新機種を投入する。本格的な普及期に入ったため品ぞろえを拡充し、ソニーやパナソニックからシェアを奪い返したい考え。国内勢との販売競争が激しくなりそうだ。

 LG電子の日本法人、LGエレクトロニクス・ジャパンが発売するのは5機種10モデルで、新製品の数としては昨年の2倍に当たる。画面の乱れを徹底的に排除した高画質が特徴だ。金東建マーケティングチーム長は9日に東京都内で開いた内覧会で「市場全体をもっと盛り上げていきたい」と話した。



 LG電子は2015年に有機ELテレビを日本で発売し、市場を独占してきた。その後はソニーなどがブランド力を背景にシェアを拡大。調査会社BCN(東京)によると、昨年度の有機ELテレビの国内販売台数シェアはソニーが37.3%で首位。パナソニックは32.5%で、LGエレクトロニクス・ジャパンが27.1%の3位だった。

 ただLG電子は自前で有機ELパネルを製造しており、同社からパネルを調達する日本メーカーに比べてコスト競争力がある。今回投入する新製品のうち、65インチの上位機種の予想実売価格を昨年比10万円程度引き下げた。

国内勢は高画質や高音質な商品に力を入れてLG電子との違いを訴えるが、価格面でLG電子に対抗するには有機ELパネルの調達先を増やすことが不可欠だ。ソニーとパナソニックは同パネルを手掛けるJOLED(ジェイオーレッド、東京)の増資を引き受けて競争激化に備える。