複数の米メディアは25日、米司法省が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を捜査していると報じた。米国製品をイランに違法に輸出した疑いがあるという。米政府は同様の違法行為を巡って中興通訊(ZTE)に制裁を科すと決めたばかり。

中国の通信企業に圧力を強めており、米中貿易摩擦の新たな火種となっている。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)などによると、捜査は2017年から続いているという。現時点での捜査の進捗など詳細は明らかになっていない。



 商務省は16日、ZTEがイランや北朝鮮に米国製品を違法に輸出したほか、米政府に虚偽の説明をしたと認定。米国企業との取引を7年間禁じる制裁を科した。ファーウェイに違法行為が見つかれば同様の行政処分が下される可能性がある。

 米政府が16年にZTEの違法行為を指摘してから、ファーウェイも調べるよう求める声が議会で強まっていた。

 政府や議会は安全保障上の懸念から、中国の通信企業に強硬姿勢を示してきた。トランプ政権は一連の動きと貿易摩擦との関連を否定しているものの、様々な方法で中国に圧力をかけて貿易問題で譲歩を引き出す狙いがあるとの見方が多い。

 米議会は12年、2社の通信機器が中国政府のスパイ活動に使われる恐れがあるとして、米企業に2社の製品を使わないよう求めた。17年には国防総省の調達を禁じる法律が成立した。米連邦通信委員会(FCC)は18年4月、国内の通信会社に対し、2社の製品調達を事実上禁じる規制を導入する方針を決めている。