ジャパンディスプレイ(JDI)は、従来品より高精細化したVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)専用の液晶ディスプレイを開発しました。今回同社が開発したのは3.25型の1001ppi低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイ(LTPS TFT-LCD)と、同社のVR-HMD向け液晶ディスプレイでは最も高精細の仕様になっています。

JDIは今後もVRHMD向け高精細ディスプレイの開発を加速し、2018年度中には1000ppiを超えるディスプレイを量産、メーカー納入を目指します。



VRHMDでは自然で緻密な動画表現が求められるため、ディスプレイの高精細化、動画ぼやけの抑制、レイテンシーの低減が必要です。ジャパンディスプレイは昨年12月、レンズ越しに見える画素の固定パターンを抑制するために803ppiの高精細ディスプレイを発表しました。

しかしHMDをより小型軽量化するためには、ディスプレイをより小さく、レンズ倍率をより大きくする必要があります。800ppiの精細度では不十分であり、1000ppi以上の更なる高精細化が求められています。

今回開発した1001ppi LTPS TFT-LCDは、803ppi LTPS TFT-LCDを更に高精細化しただけではありません。画素の応答速度を4.5ミリ秒から2.2ミリ秒に改善することで動画ぼやけを抑制しています。またリフレッシュレートは現状主流の90Hzを120Hzまで高め、レイテンシーの低減に貢献しています。

このディスプレイを用いたHMDでは、ユーザがより現実に近い視覚、体感を得ることが可能なため、VR市場のさらなる拡大が期待できると言います。

ジャパンディスプレイは、LTPS TFT-LCDを長きにわたり開発してきた経験を活かし、超高精細VR専用ディスプレイの分野においてリーディングポジションを維持する考えです。

なお「高精細VR専用液晶ディスプレイ1001ppi」は、5月20日(月)~25日(金)にロサンゼルスで開催される「SID DISPLAY WEEK 2018」にて技術展示が行われます。