ディスプレー産業で液晶パネルの次に主流になるとされる有機ELパネルについて、早くも供給過剰を懸念する声があがっている。中国のディスプレー業界団体が17日、河北省固安県で開いた「中国OLED(有機EL)産業発展フォーラム」で、政府系研究機関が警鐘を鳴らした。

ただ中国のパネルメーカー各社は強気の投資計画を維持している。液晶に続き、有機ELでも過当競争に突入する恐れがある。 同フォーラムは中国のパネル業界団体「光学光電子行業協会」が主催している。

京東方科技集団(BOE)や維信諾顕示技術(ビジョノックス)など、中国の大手パネルメーカーが有機EL工場を展開する固安県で開かれた。日本と韓国からパネル部材や装置メーカーなど約50社を招待し、同県への進出を訴えた。



 中国では省や市の各自治体が投資ファンドを設立し競い合うように有機EL産業の誘致に動いている。BOEや華星光電(CSOT)、ビジョノックスなどの大手パネルメーカーだけでなく、スタートアップ企業なども政府資金を得て投資を表明。ただ生産技術の蓄積は未熟で大風呂敷を広げるものの、実際は計画倒れに終わる企業も多い。

 同フォーラムでビジョノックス副総裁は「我々は十分な技術者、特許を持ち、基礎研究を進めてきた。急速な量産展開が可能だ」と強調した。またBOE副総裁は「BOEは後発の優位性によって(日韓企業に)追いつき、リーディングカンパニーになった」と技術蓄積に自信を見せた。

 その一方で中央政府系の研究機関、中国科学院の研究員は「iPhoneX(テン)の販売不振によって有機ELは供給過剰に陥る恐れもある」と懸念を表明。新興企業の社名を挙げながら「設備投資の9割を市政府が負担しており、失敗すれば市民にとって災難だ」と踏み込んだ。

 先行する韓国パネルメーカーが有機ELの投資計画を見直すなかで、後発の中国勢が収益の果実を得られるかどうかは見通しにくい。同フォーラムで政府系機関から供給過剰の懸念が示されたことは重い意味を持つのかもしれない。