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スマートフォン向けにデジタルディスプレーを供給するジャパンディスプレイやシャープの株価が下落している。韓国の電子新聞は米アップルが2019年に発売する全ての「iPhone(アイフォーン)」の新型モデルに有機ELを採用すると報道した。

  現在、アイフォーン向けに有機ELを供給しているのは、韓国のサムスン電子傘下のメーカーのみ。Jディスプやシャープでは有機ELの量産体制の構築が遅れている。Jディスプ株はこの日の取引で一時前日比21%安の109円まで下落、2014年3月19日以来の日中下落率となった。午前終値はJディスプが10%安の124円とシャープは4.1%安の2930円だった。韓国市場ではサムスン電子も安くなっている。  

 報道について、アップルのアジア担当者に事実関係の確認などを求めたが、まだ返答は得られていない。Jディスプ、シャープとサムスンの広報担当者はコメントを差し控えた。



  アイフォーンを毎年、大量に販売するアップル向けに部品を供給するメーカーが置かれている立場は厳しい。アップルからの需要が強まる中で、自社製のスマホにもディスプレーを供給しなくてはならないメーカーもある。こうした中、韓国のLG電子など有機ELの量産化に二の足を踏む企業もある。

  大和証券投資情報部の石黒英之シニアストラテジストは、市場ではアップルの来年の新型モデルは液晶と有機ELの両方を想定していたと指摘。その上で、報道が事実なら、有機ELをうまく量産できていないJディスプやシャープなど日本メーカーにとってはネガティブになるとの見方を示した。

  有機ELには生産コストの低減という課題もある。有機ELを搭載するアイフォーンXの価格は999ドルからと高く、一般消費者の手の届きにくい存在になりつつある。アイフォーンの売れ行きが減速すれば、デジタルディスプレーメーカーは今後、より難しい選択を迫られることになる。

  調査会社、IHSマークイットのアナリスト、ジェリー・カン氏は「私の知る限り、究極的にはアップルはすべてのアイフォーンで有機ELを使うことになるのだろうが、今そうなるかは疑問符が付く」と指摘したうえで、「市場の需要や価格の問題などでアイフォーンXをいまだに拡販できていない」と述べた。