1日付経済日報などが海外メディアの報道を基に伝えたところによると、米グーグルが9月に発表するとみられるスマートフォン新機種「Pixel3(ピクセル3)」の2機種を、鴻海精密工業が受託生産するもようだ。

うち1機種は有機EL(OLED)パネルを採用するとされる。鴻海が選ばれたのは、米アップルの「iPhoneX(テン)」の組み立てで、難易度の高い有機ELパネル搭載スマホの経験を持つためで、事実となれば、鴻海にとって初めてのグーグルからのスマホ受注となる。

グーグルのスマホはこれまで、宏達国際電子(HTC)や韓国LGエレクトロニクスが受託生産していた。



 「ピクセル3」は、今年1月にグーグルがピクセルのスマホ受託生産部門をHTCから買収して以来、初めて自社開発するスマホで、クアルコムのスマホ向けSoC(システム・オン・チップ)「スナップドラゴン845」を搭載するとみられる。

 サプライチェーン関係者は、「ピクセル3」は合計3シリーズ、5機種あり、鴻海が受注したのはこのうち2機種で、HTCが残りを受注する可能性もあるとみている。

 鴻海は、「ピクセル3」の受託生産を、傘下の富智康集団(FIHモバイル)に担当させるもようだ。FIHモバイルは中国の携帯電話メーカーなどを主要顧客とする他、ノキアブランドの携帯電話事業を扱うが、昨年通年で赤字を計上している。

 韓国メディアは消息筋の話として、LGディスプレイ(LGD)がスマホ新機種向けにノッチ(切り欠き)デザインの有機ELパネルを準備中だと伝えており、「ピクセル3」に採用される可能性がある。

 業界関係者は、サムスン電子の有機ELパネルの独占状況が崩れ、有機ELパネル向け部材を供給する達運精密工業(ダーウィン)など台湾メーカーに商機をもたらすと指摘した。