経営の立て直しを進める東芝は、「dynabook」のブランドで知られるパソコン事業をシャープに売却する方向で最終調整に入りました。売却が実現すれば、かつてノートパソコンの分野で世界シェアのトップに立ったパソコン事業から撤退することになります。

関係者によりますと、東芝とシャープは、東芝の完全子会社でパソコン事業を手がける東芝クライアントソリューションの株式のおよそ8割をシャープに50億円前後で売却する方向で最終調整に入りました。

東芝のパソコン事業は「dynabook」の製品ブランドで知られ、1990年代にはノートパソコンの分野で世界シェアのトップに立ちました。



しかし、その後は海外のメーカーに押されてシェアが低下し、スマートフォンの普及で市場自体も縮小して、採算が悪化していました。

売却が実現すれば東芝はパソコン事業から撤退することになります。

一方、シャープは「Mebius」というブランドで手がけていたパソコンの生産を平成22年に終了してパソコン事業から撤退していましたが、AI=人工知能やIoTなどの分野に力を入れる一環として、東芝のパソコン事業が持つ技術力や人材を取り込む狙いがあるものと見られます。

日本のパソコン事業はかつて躍進を続けましたが、NECや富士通もすでに中国メーカーへの経営統合を行い、事業の縮小が相次いでいます。