LGディスプレーの中国・広州の有機ELパネル製造工場建設が難関にぶつかった。中国政府が工場建設承認条件として有機EL技術移転を要求したためだ。中国政府が電気自動車バッテリーから半導体、ディスプレーに至るまで自国産業と企業を保護するために韓国企業を全方向で牽制しているという指摘が出ている。

4日のディスプレー業界によると、中国政府はLGディスプレーの広州工場承認条件として▽有機EL製造技術移転▽有機EL研究開発センター建設▽部品・素材の現地調達――の3つを掲げた。LGディスプレーは7兆4000億ウォンを投資して広州に第8.5世代(2250×2500ミリ)テレビ用有機ELパネル生産工場を来年下半期までに作る計画だ。工事を始めた昨年8月以降すでに数千億ウォンを投じている。



  中国政府の要求はLGディスプレーには受け入れ難いものだ。韓国産業通商資源部は5カ月間の検討の末にLGディスプレーの有機EL技術輸出(中国工場建設)案件を昨年12月に承認し、技術流出防止対策作りと素材・装備の国産化率向上を条件に付けた。有機EL技術は国から研究開発費を支援されて開発した国家核心技術のため技術を輸出する際は政府の承認を受けなければならない。

  ディスプレー業界では中国の無理な要求の背景に自国産業を育成するという意図が背景にあると分析する。中国のディスプレー企業はスマートフォン用有機ELパネルの生産は可能だがテレビ用の大型有機ELパネルの生産技術は確保できていない。CSOTなど中国企業は2022年にテレビ用有機ELパネルを生産できるものと業界は予想している。

  現地業界関係者は「LGディスプレーの広州工場承認を審議する中国国家発展改革委員会傘下機関に中国の代表的ディスプレーメーカーであるBOEの役員が参加している。BOEなどはLGディスプレーの工場建設を強く反対している」と伝えた。