・経営不振に陥っているジャパンディスプレイが構造改革の進捗と18年度見通しを発表。18年度は売上高が最大で8600億円、営業利益率は2~3%を見込む
・最大顧客アップルの新機種において液晶搭載モデルの比率が過半以上を占める見通しで、これが再建に向けた一時的な猶予に。縦型方式の有機EL量産化に挑むも、技術的難易度の高さと資金面がネック
・非モバイル分野の事業拡大にも注力、20年度には少なくとも2500億円規模の売り上げに引き上げる。特に車載分野はトップシェアを獲得しており、同社の浮沈のカギを握る分野
 5月15日、都内にてジャパンディスプレイ(JDI)の2017年度(18年3月期)通期決算説明会が開催された。17年8月に発表した事業構造改革のとおり、通期で1437億円の特別損失を計上し、営業損失は過去最大の617億円と4四半期連続の営業赤字となった。特別損失のうち構造改革費用は1423億円で、当初見通しの1700億円からは約270億円改善した。


 断行するとの言葉どおり、構造改革についてはやり切った感があり、18年度からは利益創出に向けて邁進できる環境を整えた格好だ。18年3月には、海外機関投資家と日亜化学工業への第三者割当において、狭ベゼルディスプレーのフルアクティブパネルの後工程設備投資として、90億5000万円を充てると発表している。
この有機ELの市場後退、液晶盛り返しの状況で、同社は蒸着型有期ELの量産化技術確立までに、当初の予定よりは1年ほど猶予ができた格好だ。当初18年3月末までに詰めるとしていた有機EL量産化の資金源となるパートナー企業探しは、18年度も継続する見通し。有機EL市場の動向を見極めながら、慎重にパートナー選びを進めるようで、急ぐ必要のない市況に変わったと判断したのだろう。