ジャパンディスプレイ(JDI)は利益創出力向上に向けた施策を加速する。生産プロセスの見直しなどを進め、2018年度に変動費を前年度に比べ2ケタ%削減する。中国でのスマートフォン用液晶パネル事業では、販売から設計開発、生産まで現地化率を高める。同社は18年度の目標として営業利益率2―3%と、当期黒字化を掲げる。液晶パネル新製品による売り上げ増に加え、コスト削減を徹底することで目標の必達につなげる。

変動費削減は、個別課題解決に向けた専門組織「クロスファンクショナルチーム」のテーマの一つとして取り組む。液晶パネルの加工(前工程)を手がける国内の生産拠点で、例えばガスや液剤といった間接材を対象に生産プロセスの変更も含めてコスト低減策を見直す。サプライチェーン全体でVA(価値分析)活動も進める。さらに海外生産拠点も含めた基幹システムを効率化し、作業性改善につなげる。



中国では主にスマホ用液晶パネルを対象に、パネル加工以外の工程を現地でできるよう権限移譲する。従来、受注活動や品質保証といった部分は現地で行っていた。だが設計開発工程はほとんどを日本で手がけており、事業スピードの低下やコスト増の要因となっていた。現地化比率を引き上げることで、事業効率や顧客対応スピードを高める。

JDIは17年度に4年連続の当期赤字に陥り、収益構造の改善が課題となっている。17年度には能美工場(石川県能美市)の譲渡や、後工程(検査・組み立て)を手がける中国の工場の統廃合など、固定費削減を実施した。18年度も引き続きコスト削減活動を強化し、黒字化を目指す。