2017年のディスプレイ業界は、ダイナミックな市場の動きがある1年だった。「iPhone X」の有機ELディスプレイ採用を筆頭として、京東方科技集団(BOE)の10.5世代工場稼働開始に代表される中国パネルメーカーの大規模投資、そしてこの動きに関連して液晶パネルの価格競争はさらなる激戦となった。  

EE Times Japanでは、ディスプレイ業界の現状を振り返り将来を見通すべく、市場調査会社IHS Markitのアナリストにインタビューし、今後数回にわたってその内容をお届けしていく。  

第1回は、ディスプレイ産業領域を包括的に担当する同社シニアディレクターのDavid Hsieh氏より、業界のビジネストレンドと、大型/中小型液晶や有機ELディスプレイについて現状と未来を聞く。



EE Times Japan:  ディスプレイ業界は現在、どのようなビジネストレンドにありますか。

David Hsieh氏:    業界の関心は、中国パネルメーカーが行う設備投資の方向性に最も注がれている。中国メーカーは、従来より続く液晶への投資だけでなく、有機ELに対する投資も始めた。  この動きは、業界の材料メーカー、そして装置メーカーが中国市場をより重視する戦略の後押しとなる。日本の部材メーカーについてもビジネスチャンスとなるだろう。