シャープは計画中だった公募増資による約2000億円の資金調達と取引銀行が持つ優先株の買い取りを中止すると発表した。

株式市場で米中貿易摩擦への警戒感が高まる中、新株発行に伴う1株あたり利益の希薄化を懸念してシャープ株は大きく下落。こうした状況で増資を実行すれば、既存株主の利益を損なうと判断した。

 増資中止の発表を受けて同日の東京株式市場でシャープ株は急反発し、一時前日比18%高まで上昇した。  
シャープは今月5日、増資で調達した資金を使い、経営危機時に取引銀行向けに発行した優先株を買い取る方針を公表した。



22日には新株発行で最大2162億円の調達を決めるなど増資計画の詳細を明らかにした。希薄化懸念や貿易摩擦への警戒感が重荷となり、株価は28日に2344円と方針公表前の4日終値に比べて21%下げていた。

 優先株は取引銀行のみずほ銀行と三菱UFJ銀行が保有。普通株への転換や買い取りを将来要求できる権利がついており、意図しないタイミングでの株数増加や資金流出につながる可能性がある。こうした課題について「早期に解消すべきだと考えており、引き続き優先株の株主と協議する」としている。

 一方、親会社の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業に関わる会社が持つ優先株の一部と交換するため、別の新株発行も決めていた。これについては予定通り実施する。