ジャパンディスプレイ(JDI)は、電気自動車(EV)の世界的な普及を念頭に、車載向けディスプレー技術や製品の開発を強化する。車載インダストリアルカンパニーのホルガー・ゲルケンス社長はインタビューで、関連売上高を年率10%以上のペースで拡大したい考えを示した。
4月に着任したゲルケンス氏は、EVにはエンジンが搭載されていないため「馬力やアクセル性能がどうかといったことは関係なくなる」との認識を示し、EVが普及すれば消費者にとって「ディスプレーのデザインが差別化要因となる」と見通した。運転席前のダッシュボードに搭載されるディスプレーのほか、後方や横の死角を補う電子ミラーなどの伸びを期待している。


JDIは米アップルや中国小米のスマートフォン向け液晶パネルなどのモバイル部門が主力で、2018年3月期売上高(7175億円)の約8割を占める。しかし、不安定なスマホ需要の影響もあり連結純損益は前期まで4期連続の赤字だった。普及の見込めるEV向けを中心としたディスプレー強化で収益源を多様化する。
ゲルケンス氏によると欧州では、独フォルクスワーゲンのほか、BMWやメルセデス・ベンツのインストルメントパネルなどに使用され、3割のシェアを握る。今後は補助金制度で政府がEV普及を後押しする中国をはじめ、日本や米国でのシェア拡大を目指す方針だ。
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