世界トップに立っている韓国のディスプレー産業が揺れている。 中国の「ディスプレー崛起」に足を引っ張られた影響だ。昨年は過去最高の実績を上げたが、今年は実績が逆さまに落ちている。証券業界はLGディスプレーが4-6月期に2670億ウォンの損失を出すと予想する。

1-3月期に6年ぶりに983億ウォンの営業損失を出した後、下落幅が大きくなっている。こうした中、有進(ユジン)投資証券は9日、「LGエレクトロニクスが37.9%を持つLGディスプレーの株式をLGエレクトロニクスの企業価値算定から除外する」という内容の投資報告書まで出した。

LGディスプレーの株式価値をゼロとみるということだ。先月には株式価値を2兆6790億ウォンと評価していた。 まだ損失は出していないが、サムスンディスプレーも雰囲気は良くない。4-6月期の営業利益は1000億ウォンにとどまる見通しだ。前年同期には1兆7000億ウォンを稼いでいた。



  中国の影響が大きい。中国は液晶パネル(LCD)産業を国家産業に指定し支援を惜しまなかった。すでに面積基準で世界のLCD市場でシェア34.9%を占め、韓国の27.4%を上回っている。昨年LCDパネル世界トップに浮上した中国BOEをはじめ、中国HKC、台湾AUなどが製品価格を大幅に引き下げLCD価格は下落した。グローバル市場調査会社ウィッツビューによる、と昨年210ドルまで上昇したテレビ用LCDパネル平均価格は先月末には177.3ドルまで下落した。

  LGディスプレーとサムスンディスプレーはLCDから有機ELに事業構造を変えているが、まだ売り上げではLCDが占める割合が大きい。

  LGディスプレーは売り上げの90%をLCDで得ている。有機EL中心に変貌するために今年は9兆ウォンを設備投資に使う計画だが、その前に中国の直撃弾を受けた。サムスンディスプレーは売り上げ全体でLCDが占める割合は30%水準だ。LGディスプレーより事情は良いが、打撃を避けることはできない。

 問題は今後も特に改善が見込めなさそうなことだ。中国が技術攻勢まで浴びせているためだ。BOEは年末に世界で初めて第10.5世代大型LCD量産に入る予定だ。韓国が優位を占めている大型LCDパネルまで攻略するということだ。

  結局有機EL市場に集中しなければならないが、事情は簡単ではない。サムスン電子とアップルにモバイル用中小型有機ELパネルを納品し世界の中小型有機ELパネルでシェア97%の独占体制を構築したサムスンディスプレーもスマートフォン市場が停滞期に入り込み暗雲が立ち込めている。

  アップルのiPhoneXとサムスン電子のギャラクシーS9の販売台数が予想より低調で小型有機ELの注文量も合わせて減った。ここにサムスンディスプレーは中大型有機ELパネル市場では立地が狭い。有機ELの代わりにLCD基盤のQLEDに集中したためだ。有機EL事業を拡大する基盤が整っていないのだ。

  LGディスプレーは大型有機ELパネルに集中して差別化を試みたが、まだ売り上げ全体の10%水準にとどまっている。LGディスプレーの韓相範(ハン・サンボム)副会長は1月の記者懇談会で「10%水準である有機EL売り上げの割合を2020年までに40%に引き上げたい」と明らかにした。だが有機ELはLCDと同じ量を売っても残るものが少ない。グローバル市場調査会社のIHSマーケットによると、超高画質(UHD・3820×2160画素)有機ELテレビパネル(55インチ)の製造原価は昨年10-12月期基準で1台当たり538ドルだ。同仕様のLCDパネル原価227ドルの2.4倍水準だ。

  韓国ディスプレー産業協会のイ・ヨンギュ産業政策室長は「有機ELは曲げてたたむことができる唯一のパネルであるだけに、これを活用して中国がついてくることができない新しい市場を開拓しなくてはならない」と話している。