工場の生産ラインや産業用ロボットの製造などを手掛ける平田機工(熊本市)の平田雄一郎社長が毎日新聞のインタビューに応じた。
自動車や半導体分野の旺盛な需要などに支えられて好調な業績が続く中、今後も独自の技術力を生かし、有機ELパネルや電気自動車(EV)の分野に注力していく考えを示した。

 --2018年3月期は売上高が941億円で、5年前の約2・5倍に拡大しました。  

◆排ガス規制の強化で今後市場拡大が見込まれるEVや、スマートフォンなどへの採用で生産量の伸びが期待される有機ELの分野に先行して注力してきたことが大きかった。特に有機ELの基板で薄膜を均一に張る「真空蒸着装置」は他社がまねできない技術で利幅も大きい。両分野は今後も注力していく。




 --業績を拡大できた要因は?

 ◆弊社は、ロボットや搬送機のような自動化機械も作るが、顧客の要望に応じて生産ラインを一から作る。これを続けてきた結果、半導体や自動車、家電などどんな分野にも対応できる力がついた。顧客の要望に応じてカメレオンのように変化できるのが最大の強みだ。こうした設備メーカーは世界的に少なくなっており、売り上げの9割以上は海外向けになっている。

 --センサーとインターネットを活用し、生産設備の故障予知サービスなども始めます。

 ◆これまでも顧客の要望を受けて生産設備の稼働状況などを可視化し、遠隔地でも確認できる仕組みを作ってきた。その経験と、協業する(IT大手の)インターネットイニシアティブの技術力を生かし、製品の動きなど工場のあらゆる情報を把握できるシステムを構築した。他社が手掛けた生産設備でも同じシステムが使えるようにサービスのパッケージ化も検討したい。

 --16年の熊本地震を機に本社を東京から創業の地である熊本に戻しました。

 ◆地震が起きる前は熊本のことは全然頭になかった。熊本城や見慣れた町並みが崩れるのを見て、故郷に何もしてこなかったと反省した。弊社を育ててくれた地に納税や寄付で恩返しするのは当然だ。今後も続けていく。