LG OLED 82018I00001-PB1-4韓国LGディスプレーは2019年にテレビ用の有機ELパネル生産を18年見通しに比べ4割多い400万台分に増産する。グループのLG電子のほか、日本や中国などのメーカーにも供給する。テレビ市場はなお液晶が大部分を占める。LGはテレビの有機ELへの世代交代を主導し、中国勢が優位に立つテレビ市場で巻き返しを狙う。

 有機ELパネルは高精細で明暗をくっきりと表現できるのが特徴だ。液晶テレビに比べ薄くしやすいほか、曲面タイプなど形状も変化をつけやすい。価格が高いのが弱点だが、LGは高級品として売り込んでいる。



 英ユーロモニターによると有機ELテレビの世界販売台数は17年で153万台。液晶テレビの1%にも満たないが、16年に比べると2倍以上に増えた。LGは19年も成長が続くとみて、18年計画(280万台分)から大幅に上積みする。

 増産に向け設備投資も増やす。17年は有機ELの製造設備に5兆ウォン(約5000億円)近くを投じた。18年は総額9兆ウォンのうち80%強を有機ELに振り向けるようだ。有機ELの比率は17年より10ポイント程度上がり、投資額は2000億円以上増える。

 2018年4~6月期は液晶パネル市況の悪化で営業赤字を計上した。有機ELの強化で収益力を高めたい考えだ。

 テレビ用の大型有機ELパネル生産は難しく、LGが100%近いシェアを握る。テレビもLG製が多いが、LGからパネル供給を受けてソニーやパナソニックも商品化している。

 LG電子は7日、55インチの有機ELテレビを韓国で現行比30万ウォン安い209万ウォンで販売するイベントを8月末まで実施すると発表した。インターネット通販では200万ウォンを切る価格も散見される。パネルの供給量が増えれば、有機ELテレビの値下がりが続いて消費者に恩恵が及ぶ可能性もある。