シャープは、開発や設計、生産の技術者ら400人超から成る有機ELディスプレーの専門組織を立ち上げた。これまで有機EL事業は慎重に進めてきたが、スマートフォンなど中小型パネルに普及し始めていることなどから事業拡大に動く。2015年にソニーとパナソニックの有機ELパネル開発部門を統合したJOLEDは20年に量産へ踏み出す。

現在は韓国企業の寡占状態だが、シャープも加わり国産の有機EL事業が本格化する。 有機ELは主流の液晶と比べてパネルを薄くでき、デザイン性に優れる特徴がある。シャープが設置した有機ELの専門組織は、太陽電池事業などの人員を一部、有機EL事業に割り当てたとみられる。有機ELの人員は、事業売上高が2500億円規模のカメラ部品と同等になった。米アップルのスマホへの採用実績があるカメラ部品は今後も高い成長を期待する。有機ELも同様の中核製品に育てる狙いとみられる。



シャープは今秋、自社のスマホ向けに有機ELパネルを量産する計画。量産設備は堺事業所(堺市堺区)などに設置済み。シャープが10月に買収する東芝のノートパソコン事業や医療用モニターなどへの応用も模索する。他社のスマホなどへの供給も狙う。シャープの中小型有機ELパネルは、世界市場を握る韓国サムスンディスプレー製と画像のきめ細かさが同等。加えて紙のように曲げられる。

有機ELは高いコストが敬遠され直近は伸び悩むが、20年に世界販売されるスマホの3割超に採用されるとの調査結果もある。JOLEDは17年秋、医療モニター向けに有機ELの生産を開始。高価な設備が不要な印刷式の生産技術を持つ。足元の有機EL市場は韓国企業が圧倒するものの、日本企業にも技術の蓄積がある。韓国勢に対する差別化戦略をどう打ち出すかが今後の大きな焦点になる。