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そんなJDIが変わったのは、デルやレノボの要職を歴任し、アクア(ハイアールアジアから社名変更)の前社長を務めた伊藤嘉明氏がCMO(チーフ・マーティング・オフィサー)兼常務執行役員として経営に参画してからだ。伊藤氏は、経済紙や金融アナリストも注目する「プロ経営者」の一人だ。
 アクアでは、旧三洋電機から継承した家電技術を生かし、持ち歩く洗濯機「COTON」(コトン)や「R2-D2型移動式冷蔵庫」などユニークな製品の開発をリード。三洋電機時代から15年も続いていた赤字をわずか2年で黒字に転換した。既にある技術やリソースを活用し、新しい収益源に変える手法が得意だ。


伊藤氏はスピードを重視する。アクア時代も良い技術を見つけると即座に商品化を求め、同時に期限を設定するアグレッシブな手法で社員たちを驚かせていた。JDIでも2017年10月から半年をかけて全拠点を見てまわり、18年4月に入った途端、全社に向け「100日間で何ができるか」とぶち上げたという。
 社内公募で人を集め、新規事業開発を推進する「マーケティング・イノベーション&コミュニケーション戦略統括部」を立ち上げた。「エンジニアだけではありません。部材の調達部門や経理など、さまざまな部署から70〜80人が応募し、30人に絞られました」と話すのは、同部で「ライトフィールドディスプレイ」を担当している山本尚弘課長。山本氏は中国のスマートフォンメーカー向けに液晶パネルを販売する部署でマーケティングマネジャーを務めていた。
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