住友化学は2019年度に中国・成都に有機ELパネル用タッチセンサーのモジュール工場を新設する。現地では中国ディスプレーメーカーを中心に有機ELパネル生産への大型投資が相次ぐ。世界トップシェアのタッチセンサー単品だけでなく、他部材を含むモジュールでの供給ニーズが高まっている。要素技術を確立できたため、自社拠点で川下分野へ進出する。

住友化学は四川省・成都に建設する新工場で、中小型有機ELパネル向けにタッチセンサーと偏光フィルム、フレキシブルプリント基板を組み立てる。19年度前半に稼働する。投資額は20億―30億円になる見込み。



従来は顧客のディスプレーメーカーに対して、韓国で製造したタッチセンサーをそのまま納入するか、外部への委託生産でモジュール化していた。今回、関連技術の開発にめどが付いたことで自社生産を決めた。

また、中国の新興ディスプレーメーカーは先行する日韓勢に追いつこうと、パネル製造工程の手間をできるだけ省きたい要望が強いという。今後も自社工場と委託生産両方を活用しながら、顧客のニーズに柔軟に対応する方針だ。