平壌(ピョンヤン)は祭りだ。南北首脳会談の色感は鮮明だ。歓迎の人波の花と韓服は赤く広がった。出発の風景は見慣れたものだ。2000年、2007年の首脳会談と似ていた。しかし金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は新鮮と破格を加えた。順安(スンアン)空港の礼砲、南北首脳のカーパレードは初めてだ。
「平壌宣言文」は圧縮的だ。文大統領は断言した。「戦争のない韓半島(朝鮮半島)が始まりました」。宣言文に金委員長のソウル訪問が盛り込まれている。その予告は感性の消費を誘発する。若い領導者は語彙を厳選したようだ。「新しい希望で飛躍する民族の呼吸があり…」。金委員長の発言のうち最高の修辞は率直さだ。彼が百花園迎賓館で述べた言葉だ。



平壌の場面は同時多発的だ。ぎこちなく、あきれる場面もある。北朝鮮の李龍男(イ・ヨンナム)内閣副首相と韓国財界人の集団面談だ。その場に財閥の総帥がいた。李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長、崔泰源(チェ・テウォン)SK会長、具光謨(ク・グァンモ)LG会長だ。17人の財界人は一言ずつ述べた。
李在鎔副会長は視覚的な縁を探すようだった。「平壌駅の向かい側に新しく建てられたビルに『科学中心人材中心』と書かれていた…。サムスンの基本経営哲学が技術中心人材中心だ」と話した。これに対し李龍男は「李在鎔先生はいろいろな側面でとても有名な人物だが」と述べた。あちこちで笑い声が起こった。李龍男は「平和と繁栄、統一のためにも有名な人物になられることを望む」と話した。
その言葉の中の「いろいろな側面」とは何か。それは李在鎔の裁判への言及だろうか。昨年のサムスン電子の売上高は239兆ウォン(約24兆円)だ。北朝鮮の国内総生産(GDP)は30兆ウォン水準だ。サムスン電子が8倍多い。李龍男はそのような貧困経済の実務指揮者だ。彼の権力序列は高くない。その彼が世界的な財界人を招集したようだ。話しぶりは示唆的だった。その場面はインドのモディ首相を思い出させる。モディは李在鎔を単独会談で礼遇する。ベトナムの権力序列1位(グエン・フー・チョン党総書長)も李在鎔を訪ねた(2014年10月)。彼ら指導者の誠意は目を引いた。サムスンの投資を要請した。その後、感謝の意を表示した。
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