テレビ用の有機ELパネルの値上がりが続いている。指標品の7~9月期の大口価格は4~6月期と比べ2%高となり、2四半期連続の上昇となった。パネルメーカーが限られる一方、有機ELテレビに参入するメーカーが増え需給がタイトになっている。
足元の価格上昇は有機ELテレビの値下がりぺースに影響する可能性がある。 テレビ用の有機ELパネルのうち、流通量が多い55型品の7~9月期の大口価格は1枚590ドル前後と前四半期より2%ほど上昇した。65型品は前四半期と同値の1枚975ドル前後となった。



 有機ELパネルは液晶パネルと違いバックライトが不要で、明暗の表現力や薄さなどに優れる。テレビ用パネルは韓国LGディスプレーが市場をほぼ独占している。一方、ソニーなど国内テレビメーカーが2017年以降、有機ELテレビを相次ぎ販売。18年7月には船井電機が参入するなどパネル需要が拡大している。

 米調査会社ディスプレイサプライチェーンコンサルタンツ(DSCC)の試算によると、大型有機ELパネルの18年の出荷量は約282万1300枚。17年と比べ6割伸びる見通しだ。
市場関係者の間では「有機ELテレビ市場が拡大するなか、足元でパネルが品薄になっている」との声が多い。DSCCの田村喜男アジア代表は「大型有機ELパネルの生産工場はフル稼働の状態が続いている」と指摘する。毎年7~10月は年末商戦向けにパネル調達が増えるのも品薄感に拍車をかけている。

 一方で供給元のLGディスプレーは、テレビ用有機ELパネルの増産を進めている。出回り量の増加を受け、19年以降は再び値下がり傾向となる可能性が高い。

 市場調査を手掛けるBCN(東京・千代田)のまとめによると、家電量販店やネットショップで販売された8月の有機ELテレビの税別平均単価は28万7400円。前年同月と比べ26%下落した。パネル上昇を受け、一時的に値下がりペースが鈍る可能性がある。

 テレビ向けでは液晶パネル価格も上昇局面にある。オープンセル(バックライトなどがつかない半製品)の55型品の8月大口向け価格は1枚157ドル前後。大型テレビの需要増などを受け、前月比3%値上がりした。主要部材であるパネルの値上がりで、テレビの製造コストが増加しそうだ。