台湾の鴻海精密工業から送り込まれたシャープの戴正呉会長兼社長(67)。2年でシャープの再建を軌道に乗せ、その姿を大胆に変えようとしている。めざすのは「製造」を大胆に切り離し、iPhoneのようなキラー製品とサービスで消費者をがっちり囲い込む米アップル型の企業像だ。だが、急だったシャープ再建のツケがその壁になっている。
「いつまでコストの高い日本で作るつもりですか」。6月末、口火を切ったのは会長兼社長の戴氏だ。2018年4~6月期の業績が振るわない白物家電の幹部の前で怒りをぶちまけたという。幹部らは海外に移転した場合のコストを弾いたが、それでも八尾で生産を続ける方が割安な機種もあった。....だが戴氏は「何度、言わせるんだ」と引かない。結局、「海外移管の方がコスト優位という結果を半ば強引に導き出し」(関係者)移転に踏み切った。


そこで鴻海創業者の郭台銘氏(68)と、腹心の戴氏がたどり着いた答えが、シャープの従来の垂直統合モデルを換骨奪胎し、その上澄みである「アップル的」な要素を発展させ鴻海=アップルのような最強コンビをグループ内に築き上げる、という荒技だ。 だがそこには欠けてはならない要素がある。製品とサービスの圧倒的なブランド力だ。シャープはそこでしくじった。
「低価格戦略がブランド価値を崩壊させた」「低端(ローエンド)化の道を走りきろうとしている」――。中国メディアでは販売戦略の混乱を伝える報道が相次いだ。大手ネットメディア「新浪」は今年5月、シャープのテレビの平均販売単価は昨年1年間で、6000元(約9万7000円)以上から3800元程度まで「断崖式に降下した」と指摘。「シャープは日本の匠(たくみ)の精神が息づくハイエンドのブランドだった」が、「低価格市場の開拓に成功しておらず、ブランド価値まで毀損した」と断じた。
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