panel price 2018QM8001-PB1-2テレビ向けの液晶パネル価格が上昇している。指標となるオープンセル(バックライトなどがつかない半製品)の32型の9月の大口価格は前月比約2%高い1枚56ドル前後で決まった。値上がりは3カ月連続。同55型も1枚158ドル前後と、1%ほど高い。

7~10月は年末商戦向けにパネルの引き合いが強まる。テレビの値下がりで需要も世界的に回復傾向で、足元ではパネルの需給がタイトになっている。



一部の中国メーカーは、32型の生産能力を需要が伸びる55型に振り分けているもよう。調査会社テクノ・システム・リサーチ(東京・千代田)の林秀介マーケティングディレクターは「32型の過剰在庫は解消されている」と指摘する。

今後のテレビ向け液晶の価格動向について、市場では「価格上昇は長くは続かない」(電子部品商社)との見方が強い。中国のパネルメーカーは足元で増産を進めている。みずほ証券の中根康夫シニアアナリストは「工場の閉鎖などがなければ、19年以降テレビ用液晶は供給過剰となる」と予想する。