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韓国LGディスプレーが24日発表した2018年7~9月期連結決算は、営業利益が1400億ウォン(約140億円)と前年同期に比べて76%減少した。

17年末から急激に悪化した液晶パネルの市況の低迷が続いているため。一方で、世界で9割強のシェアを握るテレビ向けの有機ELパネルは、7~9月期に同社として初めて黒字化した。

同社は24日、画面を折り畳めるスマートフォン(スマホ)「フォルタブル」の有機ELパネルを開発していることを明らかにした。現状は大半がテレビ向けだが、スマホ向けを強化する。7~9月期の有機EL単独の黒字額は公表しなかった。



売上高は12%減の6兆1030億ウォンだった。前年同期に比べて液晶パネルの平均出荷価格が17%と大幅に下落した。前の四半期との比較でもわずかに下落した。LGディスプレーは「テレビ向けの大型液晶パネルは4~6月期に比べて上昇したが、スマホ向けの中小型液晶パネルが下落した」と説明した。

営業損益は大幅減益だが、17年10~12月期以来、3四半期ぶりに黒字転換した。原価低減を進め、大型パネルの販売を強化したことが奏功した。ただ、来年の需要見通しについて、LG幹部は「世界的な保護貿易強化の流れもあり、市況の改善が続くと楽観できる状況には無い」と述べ、慎重な見方を示した。

パネルが値崩れした背景には、政府から手厚い支援を受ける中国勢の攻勢がある。最大手の京東方科技集団(BOE)は17年末、世界最先端の「10.5世代」と呼ばれるパネルの工場を稼働。今後の供給増をにらんだ顧客が買い控えに動き、市況を冷やしている。