ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏は10月30日、パナソニックの創業100周年イベントで、「世界一の自動車会社になる。そういう大きな夢が必要ではないか」と講演し、次の100年への門出を激励した。「高い目標がイノベーションのもとになる」という柳井氏の考えは、今の時代を生きる全ての企業とビジネスパーソンに通じる。
松下幸之助さんは大好きな経営者だ。強い志を示した「水道哲学」は、私の経営者としての原点だ。幸之助さんの教えがなければ、今のユニクロ、ファーストリテイリングの成長はない。 「産業人の使命も、水道の水のごとく物資を豊富にかつ廉価に生産提供することである。それによってこの世から貧乏を克服し、人々に幸福をもたらし、楽土を建設することができる」。水道哲学の考え方はファーストリテイリングのミッションに通じるものがある。
私がパナソニックに対して持っている期待を伝えたい。非常識なくらい高い目標を持つこと。こうありたいと思うことが、イノベーションのもとになる。人間が想像することは人間は実現できると私は考えている。非常識に高い目標は、あらゆる変革を必要とする。当社は売上高80億円ぐらいの時から、将来はGAP(ギャップ)を超えて世界一のアパレル製造小売業になる目標をつくった。途方もない目標を本気で目指したから、数々のイノベーションを起こすようになった。
津賀さん(津賀一宏パナソニック社長)にお願いがあります。車載電池もいいが、BツーBではパナソニックブランドは輝かない。やはりそこはBツーCだ。アップルやグーグル、世界で輝くブランドはみなBツーC。お客様の生活に根ざした最終製品、それも画期的な製品を届けてこそ、圧倒的な魅力を放つ。世界の人に売れるものを作らないと、大きな夢を描いても、より大きな夢を描いた人に取って代わられる。
ユニクロ思考術 [ 柳井正 ]
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