経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)が12日発表した2018年7~9月期の連結決算は営業損益が46億円の赤字(前の四半期は98億円の赤字)となった。再建の切り札と位置づける米アップルの最新スマートフォン(スマホ)「iPhoneXR」向けのパネル出荷が始まり赤字幅は縮小した。ただXRは期待に比べ販売が低迷しているとの観測もあり、先行きはなお不透明だ。

「モバイルの振れ幅を慎重に見極める」。月崎義幸社長は決算後の記者会見で話した。XR向けの液晶は部品供給の遅れなどで出荷が後ろ倒しになったが、9月は1年半ぶりの単月黒字を確保。この勢いで4期続いた最終赤字の脱却をめざす経営陣だが、2019年3月期の営業利益率見通しは8月時点の2~3%から1~2%へ下方修正を余儀なくされた。



XR向けの液晶はJDI再建の切り札だ。従来のiPhoneに比べJDIの供給比率が高い上に、1枚当たりの価格も高い。量産体制の構築には官民ファンドの産業革新機構(現INCJ)が工場売却の対価に約200億円を支援した。一方で長年の課題だったアップル依存を高める「もろ刃の剣」でもある。

足元でそのXRに懸念が浮上している。みずほ証券の中根康夫シニアアナリストはXRの販売が想定を下回っているため19年1~3月期の生産台数見通しを10月時点の2900万台から2100万台に引き下げた。調査会社テクノ・システム・リサーチ(東京・千代田)の林秀介マーケティングディレクターも「年明けにJDIの工場稼働率が下がるリスクが高まっている」とみる。

JDIはスマホ需要の不透明さから、決算に合わせて出すとしていた修正中期経営計画の発表も見送った。今期の黒字化に向け「最後まで取り組んでいく意気込み」と語る月崎社長だが、そのハードルは一段と高くなっている。