台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が13日に発表した2018年7~9月期連結決算は、本業の稼ぐ力を示す営業利益が前年同期比68%増の313億台湾ドル(約1150億円)だった。5四半期ぶりに増益に転じた。ただ、前年同期の業績が悪かった反動の側面が大きく、利益水準は市場予想には届かなかった。

売上高は28%増の1兆3758億台湾ドルだった。鴻海は売上高の5割強を米アップル向けが占める。なかでもスマートフォン(スマホ)「iPhone」の組み立てが収益源だ。9月発売の高級機種「XS」の需要が貢献したほか、中国メーカーのスマホやサーバーなどの需要開拓も進んだ。



今回はiPhoneの発売時期の関係で、前年同期と比べた際の業績の見え方が良くなった面が大きい。17年の新製品「X」は発売時期が11月と遅く、鴻海の7~9月期業績には寄与しなかった。

18年7~9月期の純利益は18%増の248億台湾ドルで、市場予想を約12%下回った。特殊要因がなかった2年前の同期と比べると3割弱低い水準だ。

鴻海は人件費の低い中国でiPhoneなどを安く大量生産するモデルで成長した。ただ直近では人件費高騰に直面するほかiPhoneも伸びが鈍化。郭台銘(テリー・ゴウ)董事長は「2~3年は転換に向けた過渡期になる」と語る。

米中貿易摩擦が激化するなか米国でも工場を建設中だ。当面は先行投資が膨らみ、業績の苦戦が続くとの見方が多い。